唯結について

ハーラマン・ストライフ症候群(Hallermann-Streiff syndrome、以下HSS)は、大変まれな病気です。ハーラマン・ストライフ症候群、ハラーマン・ストライフ症候群とも呼ばれています。 代表的な症例と問題点としては、低身長や小さな体型による内科、整形外科の問題・下顎骨の発育不全による咀嚼や開口などの歯科口腔外科の問題・小眼球、先天性白内障、緑内障など眼科の問題・頭髪や体毛が乏しいことやバードフェイスなど容姿に伴う精神的な問題があります。その症状は多岐にわたり、個人差もあります。

しかしながら、発生頻度を含め、疾患の自然歴についてはほとんどわかっていません。例えば、設立メンバーの中には出産育児経験者がいますが、患者の出産については、学術的な専門誌にも記載がない状況でした。また 専門として治療にあたる医師が極めて少ないのも課題です。

このような中、2006年秋に放送されたテレビ番組がきっかけとなり、HSS患者3人が知り合いました。 同病の存在を、初めて知った私たち3人の共通の悩みは 「この病気についての情報が乏しい」 ということでした。 そこで私たちは、専門家の支援を受けながら、2008年4月15日「ハーラーマン・ストライフ症候群(HSS)の会 唯結(ゆいゆい)設立準備委員会」を発足し、地道に活動を続けました。 そして、仲間を募り2009年8月5日正式な『患者会』として設立しました。海外でもこの病気独自の患者会は、確立されていません。

『唯結』は、小さな歩幅ではありますが、着実に歩みを進め、幾つもの願いを叶えています。そのひとつとして、当会顧問の沼部先生をはじめ顧問の先生方が、HSSで子どもをもうけた女性がいることを報告した論文を書いてくださり、アメリカの学術雑誌に掲載されました。当会の会員は、この論文のもとになった研究に協力しました。

Reproductive success in patients with Hallermann-Streiff syndrome. Numabe H, Sawai H, Yamagata Z, Muto K, Kosaki R, Yuki K, Kosaki K. Am J Med Genet A. 2011 Sep;155A(9):2311-3.

そのほか、アステラス製薬による2011年度(第6回)アステラス・スターライトパートナー患者会助成を受けて、HSS 当事者やその家族の足跡を綴った冊子ができました。この内容は公開しておりますので、こちらをご覧ください。

2017年4月に、HSSは、国の小児慢性特定疾病の対象疾病に認められました。「13.染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」のうち、「22.ハーラマン・ストライフ症候群」が加えられています。詳しくは、小児慢性特定疾病情報センター(https://www.shouman.jp/details/13_1_22.html)をご覧ください。

私たちは、多くの暖かい支援に支えられながら、活動させて頂いています。 これからも手探りではありますが、ひとつひとつ学びながら、患者とその家族に対する支援のあり方や、臨床医、研究者との連携に関する方策を検討し、誠実に活動を続けて参ります。

会長 村田 栄弥子(むらた えみこ)

会名の由来

『一人をしっかり尊重し、人と人との繋がりを大切にする』という思いが込められています。

 

主な活動予定

  • 年一回、定期総会開催
  • 医師による実態調査などへの情報提供や協力
  • 医療相談会や学習会、親睦会の実施
  • 学術集会にてブース参加や、ホームページの開設など、広報活動
  • 会報の発行

 

会員種別

唯結では、下記のように会員種別を設けています。

メンバー会員患者本人
サポーター会員メンバー(患者)の家族・友人・恋人や本会の主旨・目的に賛同する者
(個人・団体又は法人、ボランティアなど)
アドバイザー会員本会の主旨・目的に賛同する、当事者・家族以外の医療従事者等の専門家。

2016年現在、唯結の加入会員数は、
  メンバー10名  サポーター10名  アドバイザー6名  計26名です。

 

役員紹介

             
会 長 村田 栄弥子 (メンバー)
副会長 小坂 瑞恵 (メンバー)
事務局長 本多 晶子 (サポーター)

 

顧問紹介

   
山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座 山縣 然太朗 先生
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 ライフサイエンス専攻 遺伝カウンセリングコース 沼部 博直 先生
慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター 小崎 健次郎 先生
国立成育医療研究センター病院 生体防御系内科部 遺伝診療科 小崎 里華 先生
東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野 武藤 香織 先生
慶應義塾大学医学部眼科学教室 結城 賢弥 先生